住まい・インテリア

2014年4月 7日 (月)

1話-①「危ないリフォーム業者は存在するという過酷な真実」前編

H様の場合・・・・・信用という名の虚実、依頼先とお金の扱いは慎重に。


「えっ! 先に全額お支払いになったんですか? 失礼ですが、いくら位ですか?」

「あ、まぁ~ 高級外車2台ってとこかな」


 知人から『リフォーム業者が工事途中に逃げてしまって、困っている人がいる。何とかならないか?』と相談され、伺ったH様宅でのことです。
 逃げた業者は、どうやら預かったリフォーム費用を使い込んだらしく、行方不明とのことでした。
(高級外車って、1千万前後かな。逃げる? 本当にそんな事って起こるんだ!!)


 私は驚き、改めてH様に向かって、話を聞き始めました。

「でも、なぜ、そんな大金を? 契約金、着工金とか別けなかったのですか?」

「いや、別けたよ。最初に少し払って。それで設計士と打合せもしたし、工事も始まっていたしね。必要だって言うし、何といっても、その会社を信用していたからね」

「信用していた…ですか」


 この話はいまだに信じられないくらい、インパクトがありました。


 H様は、ご夫妻共いわゆる社会的地位も、収入も申し分のない位置にいらっしゃる方で、顧問弁護士も顧問税理士も付いています。しかし、業者が工事途中で行方不明という事実は、受け入れるしかありません。
 重々しい雰囲気の打合せでした。

「どのようなリフォーム計画だったのですか?」

「中古マンションを買ったから、そこを全部一新して、そちらに引っ越す予定で…」


 お話の内容から『ビンテージ中古マンションを買って、リノベーションして…』という感じの内容でした。購入され、工事が始まっているということは、購入代金は支払われ、住んでいないのに、住宅ローンの支払いや、管理費・修繕積立費が発生しているわけです。

「お引越しの予定は決まっているのですか?」

「いいや、でも、出来るだけ早く引っ越さないと。今住んでいる所を売りに出すから」

「どのくらい工事は進んでいるのですか?」


 私は遠慮なく話を進めました。放っておいても時間は過ぎるからです。


「・・・ おたくに依頼するかどうか、今は返事できないが、一度現地を見る気はあるかい?」


 H様はそうおっしゃいましたが、この時、私は仕事になるかどうかより、直面した問題の解決に、当社に役立つことがあるのか? そちらの方が気になっていました。ただ、このまま放っておく訳にもいかないとも思いました。


「ぜひ、拝見させてください。仕事も何も、そのような状況でしたら、実際にお役に立てるかどうか、こちらも見極めなければなりませんから」

 そのように申し上げ、後日、工事途中で止まった現場へ伺う約束をしました。



 それからしばらくして伺った現場には、逃げたリフォーム会社の下請けで働いていた人も来ていました。
(この人も、犠牲者の内に入るのかな)

 まだ冬の寒さを直に感じる現場に立ちながら、現状のチェックを始めました。

 幸い、計画段階の図面があり、当初の既存全解体スケルトン(躯体のみ)から一新するリフォームだと読み取れました。(最近はリノベーションともいう)


 工事が進んでいたのは下地段階でしたが、床のフリーフロア(浮床)と、壁の骨組み程度は出来上がって見えました。また、途中で止まった工事現場の中で、なぜかユニットバスだけは完成していました。
 その様子は、広い空間の中にぽつんと置かれた、大きな倉庫のようで不思議な光景でした。

 倉庫のようなユニットバスの中を覗き、すでに設置してあるシャワーを見たその時・・・

 思わず私は、ギョッとしたのです!!


・・・つづく

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